肩こり
首から背中の上部、肩や上腕に関わる筋肉の鈍い痛みや圧迫感、違和感、不快感をひとくくりにして肩こりといいます。肉体的、精神的なストレス、自律神経の乱れなどによる肩周辺の筋肉の緊張と血流不足が原因です。
日常生活から考えられる原因
1、同じ姿勢でのデスクワーク
同じ姿勢で長時間パソコンに向かっていることで、首や肩周辺の筋肉に緊張が続き、肩こりの症状があらわれます。
2、眼精疲労
パソコン、携帯電話などによる長時間にわたる目の酷使や、メガネの度が合っていないなどの慢性的な目の筋肉の緊張や疲労が、肩こりの症状を引き起こすことがあります。
3、運動不足による筋肉疲労と血行不良
日頃から体を動かしていないと、筋肉が普段使われないので、筋肉の緊張や疲労が起こりやすく、肩や首筋がこります。さらに、運動不足は血行不良を招き、肩こりの発症の原因になります。
4、ストレスによる緊張
肉体や精神にストレスを受けると、筋肉を緊張させる自律神経の働きが活発になります。そのため、肩周辺の筋肉が緊張し、肩こりが起こります。一時的なものであれば問題ありませんが、連日ストレスにさらされ筋肉に過剰な緊張状態が続くと、肩こりが慢性化することがあります。
5、寒さによる肩の筋肉の緊張、自律神経の乱れ
寒い場所や冷房の効いた部屋でずっと過ごしていると体に不自然な力が入り、筋肉が緊張します。さらに、寒さによって自律神経の乱れを引き起こすために、筋肉の緊張が強まり、肩こりの原因となります。
日常生活でできる予防法
1、体を動かして血行を良くする
体に負担が少なく、全身の筋肉をバランス良く使う運動を、少しずつでも行うようにしましょう。ウォーキングやサイクリング、水中ウォーキング、ストレッチ、ラジオ体操などがおすすめです。
2、肩や首を冷やさない
夏のエアコンによる冷やしすぎや、冬の寒さに身を縮める筋肉の緊張は、肩こりの原因です。
冷気をなるべく避け、蒸しタオルやカイロなどを使って、肩と首を温めましょう。
3、仕事の環境を見直す
パソコンの画面との距離は40cm以上離し、目線が下になるように位置を調節しましょう。そして、背筋を伸ばして椅子に深く腰掛け、キーボードは自然に手をおいたときに、ひじの角度が90~100度くらいになるようにしましょう。デスクワークが続く場合は、1時間に1回は伸びをするようにしましょう。
四十肩・五十肩
肩関節周辺の組織に変性が起こり、生じた炎症によって痛みが起こる「肩関節周囲炎」のことです。40代以降に発症することが多く、一般的に四十肩・五十肩といいます。突然痛みが発生する急性期と、肩の動きが制限される慢性期があります。半年から1年半ほどで自然に痛みが軽くなり、肩が動かせるようになります。
1加齢にともなう組織の変性
年齢とともに、肩の部分にある関節を覆う膜や骨同士を結びつける靱帯の柔軟性が低下することで起こると考えられています。また、上腕部の筋肉と骨をつなぐ腱板(けんばん)が加齢にともない変性し、炎症を起こすことも原因となります。
1急性期は安静、慢性期は動かす
急性期には、無理して肩を動かさないようにしましょう。重い荷物を持ったり、運動をするなど、痛みをともなう動作は避けるようにしましょう。発病4~5日後からの慢性期への移行期間と、その後の慢性期は逆に、日常動作を積極的に行うようにしましょう。
2慢性期は振り子運動をする
慢性期では、振り子運動が有効です。痛くないほうの手で机にもたれかかり、ペットボトルやアイロンなど500gから1kgくらいの重さのものを痛い方の手で持って腰をかがめて前後、左右にゆっくり振ります。手に持ったものの重みで、肩の周りの腱が伸びて楽になります。
3寝るときの姿勢を工夫をする
最も楽に寝られる姿勢を取りましょう。枕は首の骨が自然なカーブを保てる高さにします。寝ている間に肩が冷えると痛みが起こることがあります。布団から肩が出ないように、サポーターを使用したり、バスタオルや毛布を掛けるなど工夫をしましょう。
4服選びや、着替える際に注意をする
そでや腕回りがゆったりとした衣類を選びましょう。また、急性期ではかぶるシャツや後ろにファスナーがある衣類を避け、体の前面で開くものを選びましょう。着るときは痛いほうの腕から先に袖を通し、脱ぐときは逆に、痛くない腕から脱ぐと良いでしょう。
5肩を温めて血行を良くする
カイロや温感湿布を当てたり、サポーターを付けるなどして、肩を冷やさないようにします。ぬるめのお湯でしっかり温まる入浴法も有効です。ただし、急性期で冷やしたほうが痛みがやわらいだり、楽と感じる場合は、氷のうなどで15分ぐらい冷やすのもいいでしょう。
6市販の薬を使う
手のしびれ